初心者のためのタロットカードの読み方ガイド

タロットカード占いは、美しい絵柄のカードを使って行われる神秘的な占いです。

初めて自分でカードを手にしたとき、「どう読めばいいんだろう？」と戸惑うかもしれません。

しかし基本を押さえれば、誰でもタロットリーディングを楽しめるようになります。

本記事では、初心者向けにタロットカードの基礎知識から実践的な読み方のコツまで、わかりやすく解説します。

タロットカードとは何か（起源・現代での使われ方）
カードの構成：大アルカナ22枚、小アルカナ56枚（スートと人物カード含む）
カードの意味の読み方（正位置・逆位置、象徴のとらえ方）
スプレッド（1枚引き、3カード、ケルト十字など）と読み方の手順
読み解きの流れ：質問の立て方、カードをどう読むかの基本ステップ
恋愛・仕事など具体的テーマ別のリーディング例（簡単なストーリーつき）
1. 恋愛のリーディング例
2. 仕事のリーディング例
よくある初心者のつまずきと対処法
タロット占いを楽しみながら上達するコツ
まとめ：タロットカードを通じて直感と対話する力を育てる

タロットカードとは何か（起源・現代での使われ方）

タロットカードは元々15世紀頃のイタリアでトランプゲームとして誕生しました。

その後18世紀以降に神秘的な力が見直され、現代では占いの道具として世界中で広く使われています。

もとはゲーム用だったカードに様々なシンボルが描かれ、偶然のカードから運勢や心理を読み解く「卜術（ぼくじゅつ）」の一種となりました。

現在のタロット占いでは、人の気持ちや相性、未来の運勢やアドバイスなど、さまざまなことを占えます。

例えば恋愛の行方や仕事の悩み、自分の進むべき方向についてなど、カードからのメッセージを受け取ることができます。

特別な霊感や能力がなくても、カードの意味を覚えれば誰でも占うことが可能です。

占い館のプロだけでなく、趣味で日常に取り入れる人も増えており、タロットカードは自分と向き合うツールとしても親しまれています。

カードの構成：大アルカナ22枚、小アルカナ56枚（スートと人物カード含む）

タロットカード全体は全部で78枚から成り、内訳は22枚の大アルカナと56枚の小アルカナに分かれています。

大アルカナ（major arcana）とは0番から21番までの番号が付いた主要なカード群で、「愚者」「魔術師」「女帝」「恋人」「死神」「世界」など象徴的なテーマを持つカードです。

大アルカナにはそれぞれ一枚ずつ深い意味が込められており、占いでは重要なターニングポイントや大きな人生のテーマを示唆するとされています。

大アルカナだけで占う方法もありますが、全78枚を使うとより具体的で詳細な読み取りが可能になります。

小アルカナ（minor arcana）は残り56枚で、トランプのように4つのスート（組）に分かれています。

スートにはそれぞれエレメント（元素）が対応し、以下の4種類があります。

ワンド（棒） – エレメントは「火」。情熱、直観、創造性、行動力など燃え上がるエネルギーを象徴します。
カップ（聖杯） – エレメントは「水」。愛情、感情のつながり、優しさ、共感力など豊かな心の動きを表します。
ソード（剣） – エレメントは「風」。知性や言葉、思考、決断力など頭脳やコミュニケーション、時に葛藤を示すカードが多いです。
ペンタクル（コイン/金貨） – エレメントは「地」。お金や仕事、現実的な事柄、安定・豊かさ、物質的な基盤を意味します。

小アルカナの各スートには、エース（1）から10までの数字札と、4枚のコートカード（人物札）が含まれ、1組あたり14枚×4組＝56枚です。

コートカードとはペイジ（小姓/プリンス）・ナイト（騎士）・クイーン（女王）・キング（王）の4枚の人物カードのことで、全部で16枚あります。

コートカードは登場する人物像や性質を表すことが多く、たとえば「ワンドのキング」ならワンドの情熱的な性質とキング（年長の男性）の特徴を合わせ持ち、「リーダーシップがあり頼りがいのある男性」を象徴するといった具合に読み解きます。

このようにスートの意味と人物の特徴を組み合わせて解釈するのがコートカードのポイントです。

カードの意味の読み方（正位置・逆位置、象徴のとらえ方）

タロットカードは引いたときの向きによって「正位置」か「逆位置」かが決まり、意味合いが変化します。

正位置とはカードが正立している状態、逆位置はカードが上下逆さまになった状態です。

多くの場合、正位置ではポジティブな意味、逆位置ではネガティブな意味やエネルギーの停滞を表すことが多いとされています。

たとえば0番の「愚者」のカードが出た場合、正位置なら「自由」「新たな旅立ち」といった明るい解釈になりますが、逆位置だと「無計画」「無責任」「現実逃避」といった注意的な意味になります。

このように1枚のカードでも向きによって解釈が変わる点がタロットの特徴です。

ただし、逆位置イコール必ず悪い意味とは限りません。

逆位置は「エネルギーの内向き」や「ブロックされている状態」を示すとも言われ、カード本来の意味を弱めたり、反対の側面を表現することがあります。

初心者のうちは無理に複雑に考えず、まずは「正位置＝良い面」「逆位置＝悪い面」くらいの捉え方でも構いません。

慣れてきたらカードごとの逆位置解釈にも挑戦すると良いでしょう。

カードを読む際には、描かれた絵柄や象徴にも注目しましょう。

タロットカードには一枚一枚、人物の表情や持ち物、背景の風景など細かなシンボルが描かれています。

それらはすべてカードのメッセージを伝える手掛かりです。

例えば白いバラは純真さや可能性、空の色は心情や状況の雰囲気…というように、カードに描かれているものそれぞれに意味があります。

こうしたシンボルを読む方法を「シンボル読み」と言い、ウェイト版（ライダー版）のタロットでは特に絵柄が物語性豊かなので、初心者にも絵からイメージをつかみやすいでしょう。

最初はガイドブックのキーワードを参考にしつつ、「このカードの人物はどんな気持ちかな？」など自分なりの直感も大切にすると、カードの意味がぐっと身近に感じられるはずです。

スプレッド（1枚引き、3カード、ケルト十字など）と読み方の手順

タロット占いでは、カードを引いて並べる配置のことを「スプレッド」と呼びます。

スプレッドとは英語で「広げる」という意味で、質問に応じてカードを特定の形に並べる展開方法を指します。

スプレッドによって使用するカードの枚数は様々で、1枚から十数枚以上まであります。

知りたいことがシンプルなら少ない枚数のスプレッドで、いろいろな角度から深く知りたいときは多めの枚数のスプレッドを使うと良いでしょう。

ここでは代表的なスプレッドと、その基本的な手順を紹介します。

ワンオラクル（1枚引き）：最も簡単なスプレッドです。
質問に対して1枚のカードだけを引き、そのカードのメッセージを答えとみなします。
短時間で占える上に「今日の運勢は？」「この問題はYesかNoか？」といった問いにも1枚でズバリ答えが出せるのが特徴です。
カード1枚だけですが、その分カードの持つ意味全体から状況を読み取る練習にもなります。
初心者はまずこのワンオラクルから始めてみるのがおすすめです。
スリーカード（3枚引き）：カードを3枚引いて並べるスプレッドです。
1枚では物足りないときにちょうど良い情報量が得られる展開法で、初心者にも扱いやすい枚数と言えます。
並べた3枚にそれぞれ「過去・現在・未来」や「現状・助言・結果」などの意味を割り当てて読み解きます。
例えば左から順に過去・現在・未来とすれば、過去に起きた出来事が現在や近い未来にどう影響するかを読むことができます。
3枚のカードの関係性をストーリーのようにつなげて解釈できるので、リーディングの練習にも最適です。
ケルト十字スプレッド：タロットで最も有名な大型スプレッドの一つで、合計10枚のカードを十字架状に展開します。
カードの位置ごとに「質問者の現状」「相手の気持ち」「課題となっている障害」「過去の影響」「近い未来」「最終結果」など細かな意味が設定されており、包括的に状況を読み解くことができます。
ケルト十字では、相手や自分の心理、問題の原因や障害、過去から未来の流れ、可能性やアドバイスまで一度に読むことができます。
深い洞察が必要な複雑な悩みに向いていますが、扱うカードが多いため初心者には少し難易度が高めです。
まずは少ない枚数のスプレッドで慣れてから、ステップアップとして挑戦すると良いでしょう。

スプレッドの手順は基本的にどれも共通しています。

まず占いたい内容に合ったスプレッドを選んだら、カードをよくシャッフルします。

カードを混ぜる際は心を落ち着け、質問内容に意識を集中しましょう。

十分にシャッフルしたらカードの山をカット（分割）します。

山を2～3つに分けてまた一つに重ね直す作業ですが、これにも「運命を切り開く」意味があると言われます（他人を占う場合は相手にカットしてもらう場合もあります）。

そしてカードを指定の形に並べて展開し、裏向きで置いた場合は順にカードをめくっていきます。

出たカードの名前と正位置・逆位置を確認し、あとは各カードの意味を読んでいく作業です。

スプレッドによっては位置ごとに意味（ポジションの意味）が決まっているので、それとカードの意味を組み合わせて解釈していきます。

一度に覚えるのが難しければ、メモを取るなどして落ち着いて考えても大丈夫です。

スプレッド実践のポイントは、リラックスしてカードと向き合うことです。

カードを引くときは「本当にこれで合ってるかな…」と不安になるかもしれませんが、深呼吸して手を止めるタイミングや選ぶカードは自分の直感を信じてみましょう。

カードを展開したら、まず全体を見渡して出たカードの傾向を感じ取ります。

大アルカナが多ければ重要なメッセージ性が強いかもしれませんし、カップが目立てば感情面の問題がテーマかもしれません。

そうした全体の雰囲気をつかんだ上で、一枚一枚を細かく読み解いていくと、初心者でもストーリーが組み立てやすくなります。

読み解きの流れ：質問の立て方、カードをどう読むかの基本ステップ

実際にタロットカードを読む際の基本的な流れを整理してみましょう。

初心者は特に「質問の立て方」が重要です。

漠然と「将来が不安」と占うよりも、「○○について私はどうすれば良いか？」のように、占いたいテーマを一つに絞って具体的な問いにすることがポイントです。

質問はYes/Noで答えられる形式でも良いですが、カードは必ずしも単純な“Yes”か“No”を示すわけではありません。

「～できますか？」より「～するにはどうすれば？」といった形にすると、カードから建設的なアドバイスを受け取りやすくなります。

質問が決まったら、先ほど説明した手順でカードを引きます。

ここからはカードの読み解き方のステップです。以下に基本ステップをまとめます。

カードの確認 – 並べたカードを順番にめくり、出たカードの種類（大アルカナか小アルカナか）、スート、数字、そして正位置か逆位置かを確認します。一覧して書き出してみると全貌が把握しやすいでしょう。
個々のカードの意味を解釈 – それぞれのカードが持つ意味を思い出し、今回の質問に照らしてみます。ガイドブックやメモを参照しても構いません。カードのキーワードだけでなく、絵柄から受ける印象にも注目してみましょう。
位置の意味や文脈を考慮 – スプレッドにおいて各カードが置かれた位置に意味がある場合は、それも踏まえます（例：「過去」の位置にあるカードなら過去の出来事として読む）。また、質問の内容によってカードの解釈は多少変わることがあります。恋愛の相談で出た「皇帝」と、仕事の相談で出た「皇帝」では、前者は「相手の硬い態度」、後者は「上司や組織」を指す…といった具合に、カードの持つ象徴を質問の文脈に当てはめます。
カード同士の関係を見る – 複数枚のカードを展開した場合、それらが互いにどう影響し合っているか考えます。一枚一枚バラバラに読むのではなく、「過去のカードの出来事が現在のカードに繋がっている」「助言のカードが結果のカードをサポートしている」など、カード同士をストーリーのようにつなげて解釈します。共通するスートがあればその元素が強調されているかもしれませんし、数字の大小で流れの強弱を見ることもできます。
全体から答えを導く – 最後に、カード全体を通して質問への答えやアドバイスをまとめます。良い結果だけでなく注意点も含めて、カードたちが語るメッセージを自分なりに言語化してみましょう。必要なら紙に書き出したり、要点を箇条書きに整理すると頭が整理されます。占いの答えは絶対的な未来予言ではなく、現時点での最善のアドバイスと捉えると良いでしょう。

このような手順で読み解きを進めると、初心者でも段階的にカードの意味を紐解いていくことができます。

最初は戸惑うかもしれませんが、何度もこの流れを練習することで次第にスムーズに読めるようになるでしょう。

恋愛・仕事など具体的テーマ別のリーディング例（簡単なストーリーつき）

実際の占いのイメージをつかむために、恋愛と仕事に関する質問の例でタロットリーディングを体験してみましょう。

初心者でも分かりやすいように、3枚引きでシンプルなストーリーを作ってみます。

恋愛のリーディング例

＜相談内容＞ 最近付き合っている彼との関係がぎくしゃくしている。今後仲直りできるか占ってみたい。

＜使用スプレッド＞ 3枚引き（現在の状況／アドバイス／将来の展開）

＜引いたカード＞ 現在：「カップの2・逆位置」、アドバイス：「女帝・正位置」、将来：「星・正位置」

＜リーディング＞ 現在、「カップの2・逆位置」が示すように、本来ラブラブであるはずの二人の絆がうまく噛み合っていない様子がうかがえます。お互い好きな気持ちはあるものの、意思疎通が不足していたり、小さな誤解が積み重なって心がすれ違っているのかもしれません。次にアドバイス位置の「女帝」は愛と豊穣の象徴です。これは相談者であるあなた自身が寛大な心で彼を包み込み、安心できる雰囲気を作ることを勧めています。女帝は母性や思いやりを表すカードなので、相手を責めるより「いつも頑張っているね」と労わる姿勢が鍵になるでしょう。そうすることで、将来位置の**「星」のカードが示す希望の光**が見えてきます。星は困難のあとに訪れる癒やしと希望、信頼の回復を意味します。つまり、今はぎくしゃくしていますが、女帝のような愛情深いアプローチをすることで二人の関係は癒され、再び希望を持てる未来が開けるでしょう。カードは「焦らず愛情をもって接すれば、きっと仲直りできますよ」と優しく背中を押してくれています。

仕事のリーディング例

＜相談内容＞ 今の仕事に行き詰まりを感じている。このまま続けるべきか、それとも転職など新しい道を考えるべきか占ってみたい。

＜使用スプレッド＞ 3枚引き（現在の状況／アドバイス／将来の展開）

＜引いたカード＞ 現在：「カップの4・正位置」、アドバイス：「愚者・正位置」、将来：「ペンタクルの9・正位置」

＜リーディング＞ 現在のカードは「カップの4」。

杯を目前に差し出されても腕組みをしている青年の絵柄の通り、今のあなたは職場にマンネリを感じ飽き飽きしている状態でしょう。

努力が報われず虚無感に陥っていたり、新しいチャンスが見えていないのかもしれません。

そんな停滞感に対し、アドバイスカードの「愚者」は「思い切って新たな一歩を踏み出してみては？」と告げています。

愚者はゼロからの出発、未知への旅立ちを象徴するカードです。

これまでの安定を手放すのは不安もありますが、愚者は「とりあえずやってみよう！」というポジティブで無邪気なエネルギーを持っています。

つまり、転職や新プロジェクトなど未経験の世界に飛び込む勇気を持つことが今のあなたには必要だということです。

そして将来のカードには「ペンタクルの9」が現れました。

このカードには裕福そうな女性が庭で悠々と過ごす姿が描かれており、物質的な豊かさや独立した成功を意味します。

愚者で踏み出した新しい一歩は、最終的にペンタクルの9のような実りある成果につながるでしょう。

新天地で努力を重ね、自分の才能を活かせば、今より充実したキャリアと安定した生活を手にできる可能性があります。

3枚のカードは総じて「停滞から抜け出し、新たな挑戦を恐れなければ、あなたの仕事運は大きく開ける」と教えてくれているようです。

こうした例のように、タロットカードは質問に対して物語を語るようにメッセージを届けてくれます。

カードの意味を単に個別に覚えるだけでなく、一連の流れとして読み解くことで、初心者でもより理解しやすくなるでしょう。

よくある初心者のつまずきと対処法

タロットを始めたばかりの頃に陥りがちなつまずき（躓き）やミス、困りごとと、その対処法・アドバイスをまとめます。

誰もが通る道ですから、心当たりがあっても落ち込まず改善していきましょう。

同じ質問を短期間に何度も占わない：一度占った結果に不満だからといって、間を置かず何度も同じことを占うのは避けましょう。タロットカードがせっかく示してくれたメッセージを無視して引き直しても、かえって混乱したり正確さが失われます。たとえ望まない結果が出ても、まずはその結果を素直に受け止めて今後に活かすことが大切です。どうしても納得できない場合は、少し時間を置くか、視点を変えて新たな質問を設定してみましょう。
体調やメンタルが悪い時は占いを控える：疲れていたりイライラしている状態では、集中力や直感力が鈍って正確なリーディングができない可能性が高いです。タロット占いは精神を落ち着けて行うものなので、コンディションが良い時に取り組みましょう。鑑定中に急に気分が悪くなった場合も、無理に続けず休息を取ることが大事です。「今日は冴えないな」という時はいっそカードをお休みして、万全な時に改めて占えばOKです。
「怖い」カードに過度に怯えない：タロットには「死神」「悪魔」「塔」など、一見不吉で怖そうな絵柄のカードもあります。初心者の方はこれらが出るとギョッとするかもしれませんが、決して文字通りの恐ろしい意味ではないと知っておきましょう。例えば「死神」はその名の印象とは裏腹に、「一つの物事の終わりと新しい始まり」を示すカードです。つまり古い習慣や状況が終局し、再生・変容のチャンスが訪れるサインなのです。絵柄に圧倒されず、「このカードはどんな必要な変化を教えてくれているのだろう？」と前向きに捉えるようにしましょう。怖そうなカードほど新しい展開へのヒントが詰まっているものです。
いきなり高度なスプレッドや全カードを使おうとしない：最初から78枚フルデッキで複雑なスプレッド（ケルト十字など）に挑戦すると、情報量が多すぎて読み切れず挫折しがちです。まずは大アルカナ22枚だけを使った1枚引きや3枚引きから始めてみましょう。大アルカナは象徴的なイメージが強く読み取りやすいので、初心者には扱いやすいです。その後、慣れてきたら小アルカナを含めて枚数を徐々に増やしてみてください。段階的に幅を広げることで、負担なくリーディング力を伸ばせます。
うまく読めなくても落ち込まず練習を続ける：最初はカードの意味を覚えるだけで精一杯だったり、「解釈が合っているのか自信がない…」ということも多いでしょう。でも心配はいりません。タロットリーディングは数をこなすほど上達するものです。最初はピンと来なくても、毎回ノートに記録して後で見直すと「あのときのカードはこのことだったのか」と理解が深まることがあります。シャッフルがぎこちなくても、回数を重ねれば手に馴染んできます。プロの占い師でも最初から完璧に読めたわけではありません。失敗を恐れず、楽しみながら経験を積むことで少しずつカードとの対話に自信が持てるようになります。

タロット占いを楽しみながら上達するコツ

最後に、タロットカードを楽しみつつスキルアップするためのコツをいくつかご紹介します。

趣味として長く続けるためにも、「勉強しなきゃ」と肩肘張らずゲーム感覚で取り入れてみましょう。

毎日のワンカード習慣：一日一枚、カードを引いてみる習慣をつけましょう。朝に「今日のメッセージ」として1枚引いてもいいですし、夜寝る前に「今日一日を象徴するカード」を引いて振り返るのもおすすめです。例えば朝引いたカードが「剣の3（悲しみ）」だったら、無理をせず自分を労わる日にしよう、と心構えできます。夜に引いたカードが「太陽」だったら、その日は楽しい出来事があった証かもしれません。毎日カードを引いて日常とリンクさせることで、カードの意味への理解が深まり直感も磨かれます。これはタロットと仲良くなるコミュニケーションでもあり、「今日はこんな日だったね」「明日も頑張ろうね」とカードと対話するような気持ちで続けると良いでしょう。
リーディングノート（タロット日記）をつける：占った内容や引いたカード、そのとき自分が感じたことを記録するノートを作りましょう。いわゆる「タロットダイアリー」です。質問の内容、使用したスプレッド、出たカードの名前（正位置/逆位置）を書き出し、簡単な解釈や自分の心情もメモしておきます。後から見返すと「この時はこんな悩みがあったな」「あのカードの意味は今思うとこうだったな」と振り返りができ、解釈の精度向上につながります。特に毎日の1枚引きなどは日記形式で記録すると、カードのパターンや自分の成長が実感できて楽しいですよ。
気の合う仲間と占い合いっこ：タロット好きの友人がいれば、お互いに占い合ってみましょう。自分一人で占うと行き詰まる解釈も、他の人の視点を聞くと新たな発見があります。また、友達の悩みを占うことでカードの読み方の引き出しが増え、自信にもつながります。身近に仲間がいない場合は、SNSや占いコミュニティで練習相手（モニター）を募集してみるのも一つの方法です。たとえば「恋愛について占ってほしい人いませんか？」と呼びかけ、出たカードの解釈をフィードバックしてもらうことで客観的な勉強になります。ただし安易に個人情報を聞いたりしないようマナーは守ってくださいね。
お気に入りのデッキやグッズで気分を上げる：タロットカードには実に様々な種類のデッキがあります。絵柄が可愛いもの、美麗なアート風のもの、和風テイストのものなど、自分の**「ときめき」を感じるデッキを使うと占いの時間がより楽しくなります。初心者にはオーソドックスなライダー・ウェイト版が絵柄の解説情報も多くおすすめですが、慣れてきたら直感で「これ素敵！」と思えるデッキをコレクションしてみましょう。また、お気に入りのクロス（布）やキャンドルを用意して雰囲気作り**をするのもモチベーションアップにつながります。自分だけの神聖な占い空間を演出すれば、カードを引く時間が癒やしのひとときになるでしょう。
直感を信じて自由に解釈する：タロット占いは芸術と同じで絶対的な正解はありません。教科書的な意味にとらわれすぎず、「なんとなくこう感じる」という自分の直感を大事にしてください。もちろん意味の基本を学ぶことは大切ですが、最終的にはカードと自分なりの対話ができるようになるのが理想です。でも述べられているように、リーディングには自分のブレない軸（スタイル）を持つことが大事で、それは試行錯誤の中で身についていくものです。色々な解釈に触れつつも、「私はこのカードからこう感じた」と自信を持って読むことで、占いがぐっとあなたらしいものになります。他人のリーディングと比較して落ち込む必要はありません。むしろ自由に想像力を働かせて、カードが紡ぐ物語を楽しむくらいの気持ちで取り組みましょう。